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北の螢/中村美律子


山が泣く風が泣く         少し遅れて雪が泣く


女いつ泣く灯影が揺れて   白い躰がとける頃


もしも私が死んだなら     胸の乳房をつき破 


赤い螢が翔ぶでしょう

ホーホー螢 翔んで行け  恋しい男の胸へ行け
  ホーホー螢翔んで行け  
怨みを忘れて燃えて行け

雪が舞う鳥が舞う         一つはぐれて夢が舞う
女いつ舞う思いをとげて   
赤いいのちがつきる時
たとえ遠くにはなれても   
肌の匂いを追いながら 恋の螢が翔ぶでしょう


(くり返し×2)








 

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